第2章 「結ばれた相互交流」

公開日 2017年03月01日

最終更新日 2017年03月22日

この章では、講師を派遣して、そこから生まれ続いている関係について紹介してみたいと思います。

しまねの日・おきなわの日

こどもの城の開館前から、島根県の社会教育センター(東部・松江市、西部・浜田市)に、親向けプログラムの指導者養成事業の講師を4年間派遣しました。最初に依頼を受けたときに、「この事業をどのように生かしますか?」ということをお尋ねしたところ、「親向けのプログラムを開発し、県民に広げます」というお答えが返ってきました。島根県の担当者は、派遣したこどもの城職員のセリフ、動き、その背景にある子育てや教育に関する親のニーズなどについて、夜間まで熱心に質問され、何度もビデオを見られたそうです。その後、島根県は「親学」というプログラムを開発し、「親学ファシリテーター」という指導者が、献身的に活動を続けておられます。

このような経緯から、平成27年度に、こどもの城と島根県社会教育センターの間で、友好関係が結ばれました。双方の代表者による調印を伴う「姉妹都市」などと異なり、形式にとらわれない「お手紙」でのやりとりです。

「お手紙」の中でふれられているのは、大きく2つの交流です。

一つは、人の交流です。あくまでも旅費が確保できた場合ではありますが、双方の施設職員の研修として派遣し合うことです。実際に、平成28年度は島根県から合計6名の職員が、実習として、こどもの城に来られ、朝から晩までスタッフととともに活動し、研修されました。また、こどもの城からも職員を島根県に派遣して、島根県内の社会教育主事、施設職員等の指導者とともに、「諫早市こどもの城の手法を島根県の社会教育にどう生かすか」というテーマで研修を開催しました。

もう一つは、情報の交流です。施設の宿命とも言える人事異動があっても、互いの施設の友好関係を続けるために、「しまねの日(島根県にとっては『いさはやの日』」を設定し、相互に電話をかけ合い、地域の子育てや教育に関する情報交流をしようということです。島根県からの提案により、毎月1日をその日に設定し、奇数月は諫早から、偶数月は島根から電話がかかって来るという交流です。「こんな事業を企画している」、「こんなときは、どうしている?」など、短時間ではありますが、情報の交流が展開されます。

実は、このような「○○の日」に関しては、もう一箇所「おきなわの日」があります(平成28年現在)。国立沖縄青少年交流の家との連携です。これは、同施設が主催する沖縄県内の施設職員研修や体験イベントに、講師を派遣した縁からできた友好です。5月15日(沖縄本土復帰記念日)にこどもの城から、7月25日(諫早大水害の日)に沖縄から連絡があり、互いの施設・地域の子育てや教育に関する情報を交流するものです。同施設は、沖縄県渡嘉敷島にあり、地域と密着した運営をされています。地域との連携で運営されているこどもの城としても、大いに参考になることがありそうです。これもまた、「お手紙」によって、約束が交わされた事例です。

島根・宮崎の県立施設が取り入れた、こどもの城の運営手法

また、平成28年9月には、宮崎県内の青少年教育施設職員研修に講師を派遣しました。依頼の内容は、幼児期の自然体験活動の指導法についてでした。こどもの城は、開館以来、「森のようちえん(現在は、『森のじかん』)」という名称で、幼児期及びその親の自然体験活動を推進してきたため、若干のノウハウの蓄積があります。とりわけ、自然体験活動を機に、親の意識や行動が変容し、子育てが楽しくなったという事例などもあります。平成27年度に、宮崎県御池少年自然の家の所長が、こどもの城の事例に注目され、同施設の職員がこどもの城に視察に訪れ、実際にこどもの城の運営を体験されたことから発展したものです。

「自然の家」、「交流の家」など青少年教育施設は、元来、集団宿泊訓練等、宿泊を伴う活動の場で、主な対象は青少年だと考えられています(実際には、誰でも利用できます)。一方、こどもの城は、主な対象を乳幼児とその親としています(こちらも、実際は誰でも利用できます)。双方に共通なことは、自然体験や交流体験など体験活動を推進していることであり、異なることは宿泊機能があるか否かということです。乳幼児のいる家庭では、発達段階などを考慮し、宿泊を伴う活動を敬遠しがちです。しかし、宮崎県の施設では、青少年の自然体験活動を推進するには、乳幼児期から親とともに自然に親しむことが大切であり、日帰りのプログラムを実施しているこどもの城の取組を参考にしたいと考えられたのです。

先述した島根県立青少年の家でも、乳幼児とその親を対象にして、日帰りのプログラムに取り組まれるそうです。これらの事例のように、こどもの城に着目された施設が、一歩踏み出されました。今後も、様々な人や情報の交流を展開し、相互の施設が地域の中で、子育てや教育の拠点として、永く人々に愛されるように、結ばれた相互交流を続けていきたいと願っています。

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こどもの城
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