第4章 「近隣自治体の親・生徒」

公開日 2017年03月01日

最終更新日 2017年03月22日

この章では、近隣自治体に講師を派遣した中で、感じたこと学んだことについて、ふれてみます。

反応してくれる生徒

こどもの城への講師依頼は、近隣自治体からも多いのが特徴です。第1章でふれたように、チラシやネット等で売り込まないので、実際に、こどもの城をご覧になった方からの依頼が舞い込みます。特に、12月の人権週間には、毎日のように依頼が舞い込むので、大村市、長与町、佐世保市、西海市、長崎市内にある学校へ、スタッフの勤務を調整して、可能な相手先のみ対応しました。このことから、こどもの城での取組が、人権という視点から見られていることがうかがえます。

いじめ、コミュニケーションなどのテーマで、中学生や大学生に語るときに、私たちは生徒の反応を確かめながら話の展開を変えていきます。反応してくれると、講師の立場としては、うれしくなりますので、素直に私たちの感情を生徒に伝えて、こんな話題を提供してみます。

「君たちの反応が、私は、うれしいなぁ。反応って、英語で書くと、Responseらしいよ。ところで、英語には、こんな単語もあるみたい。Responsibilityって。これは責任という意味らしいよ。ほら、見て、見て!

Response

Responsibility

責任っていう単語の半分くらいは、反応になっているよ。」

かつて、日本では無気力、無感動、無関心などの言葉で若い世代を表すことがありました。しかし、近隣自治体の学校を訪れ、ちゃんと反応してくれる生徒を目の当たりにして、私たち大人の反応はどうだろうかという気になります。私たち大人は、生徒たちにちゃんと反応しているかと内省しながら、講師を努め、生徒に学ばせてもらった事例でした。

授業後に、いろんな学校からお便りが届きましたので、一つ紹介します。

「僕は、最初、人権の講演と聞いて、本当のことを言うと、『うわ~、変なの来た~』と思ったし、どうせ、ほかの大人と同じで、上から教えるのかなと思っていました。でも、こどもの城の方は生徒の輪に自ら入り、自ら生徒に話しかけて『うわ~、めっちゃいい人』ということがわかりました。お話で、『きらいな物もいつか好きになる』と聞いたとき、僕もきらいなものがあって、それから逃れてばっかりとなっていて、変えようと思っていたけど、今日からは逃げずに立ち向かうことにします。」

こどもの城オリジナルソングと故郷を愛する教育
~人生の達人セミナーに学ぶ

全国の都道府県で、海岸線が最も長いのが長崎県です。長崎県には離島も多く、時には、そんな離島からも講師の依頼が舞い込みます。

長崎県の高等学校では、「人生の達人セミナー」という名称で、外部の講師を招聘して、高校生が講話を聴くという授業が展開されています。平成28年にスタッフを講師として派遣した訪れた離島の高校で聞いた話によれば、高校を卒業後、島を出て行く青年が多く、若い世代の定住が一つの課題となっているそうです。そのため、高校としても、故郷(ふるさと)を愛する教育に力を入れているとのことでした。そのような背景のある中、故郷を愛する教育につながり、高校生の胸を打つような話ができるのか、若干の不安も抱きつつ、高校生に向き合うことにしました。

そして、その不安は杞憂に終わることになりました。生徒の誰もが、顔を上げ、熱心に耳を傾け、講話後も自分の言葉で感想を語ってくれました。常日頃の学校での教育が実を結んでおられると実感しました。校長先生のお話によれば、比較的少人数の学校であるがゆえに、生徒一人ひとりに向き合い、個人を大切にする教育が徹底されているということでした。

スタッフが選んだ題材は、こどもの城のオリジナル曲を熱唱してみることでした。この曲は、こどもの城館長と外国人ボランティア2名(米国の男性と韓国の女性)が作詞作曲したもので、タイトルは「おかえり」といいます。この曲は、歌い手が独唱するだけではなく、聞き手も「おかえり」と合唱してもらう部分があるのが特徴です。生徒たちは互いの手をつなぎ、声をしっかり出して合唱してくれました。スタッフは、故郷を思う気持ちを刺激したいという意図でチャレンジをしましたが、生徒たちが見事に応えてくれた形になりました。「人生の達人セミナー」という名称ですが、実際にスタッフは何らかの達人と呼べるほどではありません。しかし、若い世代にチャレンジする姿勢をみてもらうことはできそうです。これからも、こどもの城はチャレンジする達人を目指したいと思います。

おかえり(作詞:池田尚・Keith Harrison、Park Kwan Seo)

いい子にしていたよ 成績がよかったよ

試合で活躍したよ よかったね

でも、もうひとつ ほめてあげたい

それは・・・君がそこにいること

おかえり おかえり おかえり おかえり

 

安心できるから 挑むことができる

それが力になるよ いつの日か

でも、もうひとつ 応援したい

それは・・・失敗しても君が好き

おかえり おかえり おかえり おかえり

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