第2章 「最初の段階」

公開日 2019年03月06日

最終更新日 2019年03月06日

 本章からは、親のグループ・カウンセリングの中で、どのようなことをやっているのか、その中身についてふれていきます。こどもの城では、8回シリーズのモデルプランがありますので、それに添って、第1回目~2回目となる最初の段階での内容にふれます。

 なお、8回シリーズで実施する際は、各回を2時間で設定します。1度だけでの参加もできますが、8回を通した内容で各回のテーマを決めています。

学び方を感じる~知識を得るより行動を得る

 第1章でも少しふれましたが、親のグループ・カウンセリングでねらうものは、様々な視点から、子育てや教育について考えてみることです。例えば、こどもの城のスタッフが、「子育てはこうだ」などと教えるものではありません。さらには、参加した人が、学んだことを日常の中で、実践してみるところまで目指します。したがって、知識を得るための講義や講話形式でなく、行動を得るために、ワークショップ形式で場を進めていきます。そこで、第1回目では、楽しく、体験しながら、そして互いに学び合うワークショップの形式を体験してもらい、ここでの学び方を感じてもらうことを重視しています。子育てに関する学びは、探してみれば様々な場所で実施されています。その多くが講義や講話形式なので、参加される親は、そういった手法に慣れているかもしれません。いわば、「えっ、こどもの城スタッフのお話を聴くんじゃなかったの?」という既存の概念を破る回です。

 ワークショップという言葉は、日本でも90年代くらいから多く聞くようになりました。直訳すれば、「工房」となり、機械での作業というよりも手作業という意味合いの言葉です。確かに、講師や先生の一斉講義と比べて、参加者どうしで合意したり、課題を解決したりする活動は手間がかかります。その分、参加する方が、出席しているだけでなく積極的に参加している感覚を得やすいのも特徴でしょう。まさに、「互いに」学び合う手法です。

 ちなみに、ワークショップは、3つの「た」の要素があるなどとも言われます。楽しく、体験しながら、互いにの頭文字の「た(英語では、E(Enjoy Experiences Each other)」です。このため、ワークショップは「受ける」でなく、「参加する」という言い方が適しているといえるでしょう。まずは、参加する人が誰でも楽しくその場にいられる感覚を大切にしますので、笑いの多い回になるよう、担当するスタッフはその進行に努めます。「あっという間に2時間が過ぎた」と感想を漏らす方も多いです。

聴く力を高める~語っていい空間

 さて、学び方の感覚を体験してもらい、さらには参加する人どうしが顔見知りになってきたら、互いの考えを出し合うための活動を取り入れていきます。多くの場合、私達は、自分の考えを出す際は言葉を使います。そこで、第2回目は、相手が発した言葉を聴く(受け止める)活動を行い、自分の考えを言葉にして出しやすい(語っていい)雰囲気の醸成に努めます。

 この活動は、まず、自然の中で一定の時間、音を立てず鳥の声や風の音を聴く活動から始まり、参加する人が、それぞれどんな音が聴こえたか記号にして記しておきます。次に、互いの記号について、何の音だったのか、尋ねたり紹介したりします。自然の中で静かにする効果もあってか、互いの話を聴きあえることができるようになります。中には、「普段の生活では、なかなか、ゆっくりと子どもの話を聴いてあげられない」などとつぶやく方もおられ、「意識して聴く」という活動に向き合う体験をします。

 この際、こどもの城で考えてみた「聴」という漢字の解釈を挟むことがあります。まずは「耳」を立て、自分と相手が交わり(「十」)、いつもの見方ではない目で見て、最後に「心」で支えるというものです。この挿話は、ここの場が解釈のような場でありたいという願いを語る比喩として効果があるようです。そして、この挿話が意識されることで、次第に、参加する方どうしが互いを受け止め合うようになるようです。

複数の正解

 第1章でふれたように、こどもの城の親のグループ・カウンセリングでは様々な視点を引き出したいので、子育てや教育に、複数の正解があるのではないかということを感じてもらう内容にしています。そのため、「私の好きな〇〇を当ててください」という活動等を初期の段階で行います。〇〇とは、時には、スポーツであったり、果物であったりします。選択肢の中から、進行するスタッフが好きな〇〇を当ててもらうのですが、勘だけで当てるのではなく、スタッフに質問をしてもらい回答していきます。その過程において、参加される方とスタッフ、そして、参加者どうしが互いを少し知るという効果も出てきます。

 さて、この「私の好きな〇〇を当ててください」ですが、実は選択肢の中に正解が複数あるのです。否、時には、選択肢の全てが正解の場合さえあります。この活動を実施してみると、ほとんどの参加者が正解を一つだけに絞るのです。そこで、例えば「正解は3つありました」と言うと、ハッとした顔をされます。「子育てに、これと言った正解はない」などと聞きます。こどもの城でも、シリーズの最初の段階で、子育てには正解が複数ある(複数あってよいのではないか)という投げかけをします。このことが、「私も自分の考えを出してみようかな」という気持ちに繋がっていくようです。

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