第3章 「3回目~5回目」

公開日 2019年03月06日

最終更新日 2019年03月06日

 この章では、8回シリーズの第3回目~5回目の内容についてふれます。全8回の中盤にあたる、これらの回では、課題解決活動を行います。特に、第4回目では、第2回目と同じように屋外に出て活動を行います。

 課題解決活動は、日常の中で学んだことを実践し、よりよく変化することを目指して、他者と力を合わせて行うものです。解決できたかどうかというよりは、解決しようとして試行錯誤した過程に視点をあてて、学び合います。これらの活動は、あくまでも日常生活の模擬的・比喩的なものにすぎませんが、あらためて、他者(仲間)とともに解決過程を考えてみることで、日常で行動を起こしてみようという気持ちが高まるようです。

 なお、これらの回で実施する活動は、平成16年に、近隣の国立諫早青少年自然の家で設備が整備されたプロジェクト・アドベンチャーというプログラムの中で使われるものも含まれます。より大がかりな活動は、同施設でも実施でき、こどもの城スタッフの数名は、同施設で指導する資格を持っています。

他者と力を合わせて課題解決

 プロジェクト・アドベンチャーの資料には、「人は仲間同士が協力し合うという本能が 働く」という仮説の基に、次のようなことが書かれています。

 (アドベンチャー活動で)「お互いが協力する」という本能がゆっくり動き出す。―中略―この種の本能は使われないと錆付いてしまう。だが、いちど動き出した本能は次からはずっと動きやすくなっている。だからアドベンチャーはときどきやればよい。その間で信頼関係を深めるためにコミュニケーションが必要な活動をしていく。―中略―「信頼関係」をベースに人は新しい自分を発見する。そして、人の意見がこころに届いてくるのである。(出典:「だれでもわかるプロジェクトアドベンチャー入門(心を育て、かつ学びの環境をつくるあたらしい教育手法)」Project Adventure Japan)

 第3回目~5回目で行う活動は、まさにそのような活動を通して、信頼関係を構築することを目指します。そのために、他者と力を合わせなければ解決できない課題(独りではできない課題)を投げかけます。言い換えれば、力を合わせたら解決できるかもしれない活動です。例えば、参加した方全員が誕生日の順番に並び替わる活動などです。さらに、課題のレベルを上げるために、それを木片の上で行い、全員が木片に乗ったまま(誰もが木片から降りない、落ちないで)で行う活動などです。課題を解決するために、参加者が他者を助け、他者に助けられ、手を取り合う場面が見られます。このような活動を通して、徐々に他者を信頼できたというような発言が自然発生してきます。

自然の中で涙がこぼれる

 これらの課題解決活動のうち、第4回目では、野外の自然環境の中で行います。こどもの城の近くの森まで歩いて行き、目を閉じた状態で、しかも互いに言葉で語らず、そこに張られているロープを全員が一列になって、安全に辿っていくというものです。ロープは下り斜面に40メートルくらいの長さで張られています。しかも、周辺の木の枝が歩行中に顔に当たるように設定されています。実際に、活動で目を閉じる前に、コースの序盤を参加者に見てもらい、「このコースを歩きますか?」という問いかけをし、強制せずに活動に臨んでもらうのですが、これまで参加された方の全員が「行きます!」と答えました。

 そこで、参加者がロープを辿り始める前に、もう一度、「全員が安全であるように、どのようなことをしてから始めますか?」、「歩く順番はどのようにしますか?」ということを投げかけます。すると、参加者どうしが順番を決めたり、互いが感じた状況を体のサインで報せる合図を決めたりしますが、大抵の場合、スムーズに決まります。第1回目~3回目の活動が生きているかのようです。

 さて、この活動では、もう一つ「皆が、安全に」という課題があります。視覚を遮断し、かつ無言で相手に情報を伝えなければなりません。歩行中の転倒を避けるために、両手はロープを握ることを条件にしますが、それはあくまでも自分の安全のためです。他の参加者の安全に配慮するためには、「危険そうなので一度、止まるよ」、「止まらずに行くよ」等の情報を、ロープを握る両手の動きで他者に伝える必要があります。実は、興味深いことに、この時、参加者どうしは、ロープを握る手を隣の人の手まで滑らせずに、互いの手と手を重ねたり、交差して握ったりするのです。先述したプロジェクト・アドベンチャーの資料にあるように、まさに「本能がゆっくり動き出す」かのようです。

 活動を終えた参加者は、ゴール地点の森の中で、互いの気持ちを言葉にして、他の参加者とわかちあいます。「手を握り返してもらったことが嬉しい」とか、「(他者に)頼ってもいいんだと感じた」とか、活動中が無言だったためか、たくさんの言葉が溢れます。中には、涙を流す方もおられます。尋ねてみると、涙の理由は、チャレンジした自分に対して褒めることではなく、共にチャレンジした他の参加者への感謝でした。自然という環境が、そういった気持ちにさせてくれるのかもしれません。

 ちなみに、このような活動を体験した後、第5回目では、地上約1メートルの高さから、直立したまま真後に倒れ、それを他の参加者が受け止めるという活動にチャレンジします。倒れるのは、希望される方だけですが、受け止めるのは全員で行います。この頃になると、「他の参加者」というよりも、互いを「仲間」と呼び合うことが増えてくるようです。

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