第4章 「『場』は何のため?~日常化へ一歩踏み出す」

公開日 2019年03月06日

最終更新日 2019年03月06日

この章では、8回シリーズの最後の方の活動についてふれます。全8回の大まかな内容をあらためて列記してみると、下記のようになります。

第1回目 学び方を感じる

第2回目 聴く、受け止める

第3回目~第5回目 課題を解決する

第6回目 いろんな視点を考える

第7回目 表現してみる

第8回目 一歩踏み出してみる

 実は、こどもの城が開館して以来、7グループから、このような8回シリーズの活動をコーディネートしてほしいと依頼されましたが、最後の8回まで実施したのは、そのうちの3つのグループでした(平成31年1月現在)。このことは、全8回シリーズを最後まで続けることがいかに難しいかを表しているかのようです。なお、途中で実施しなくなった(できなくなった)グループは、企画者の引越しや就職など生活の変化が背景にあります。

 また、実施期間も様々で、毎週のように実施するグループ、1~2か月に1回のペースで実施するグループなどです(7グループ中、6グループが平日に実施しました)。したがって、1年以上をかけて8回目を実施したグループもあれば、約2ヶ月で8回目まで到達したグループもあります。このように、こどもの城での親のグループ・カウンセリングは、それぞれの実態に合わせて実施しています。

 さて、実施形態は様々でも、こういった「場」における願いは共通です。一言で表せば、それは「日常の子育てがよりよいものになること」です。なので、第1章で紹介したように、こどもの城では、楽しさを大切にして場を進行します。しかし、こどもの城に限らず、非日常でのワークショップの場の楽しさに目を奪われてはいけません。もっと大切なことは、家庭や地域における日常での子育てが(さらに)楽しくなることです。こどもの城でも、そこだけは見失わずに、今後も依頼があれば精一杯に応えるつもりです。

自己を表現してみる

 第7回目では、表現する活動を行います。この回に至るまでに、すでに、気持ちを語り合い、受け止めあうなど言葉での表現機会はたくさんあります。しかし、この回での表現は、コラージュ(貼り絵)による活動です。参加者は、約1時間かけて、誰とも語らずにA3の白紙に貼り絵で「今の自分」を表現します。貼る材料は、スタッフが収集した広告紙で、文字部分を切り貼って文章として綴ることはしません。あくまでも、限られた材料で自分のことを感覚的に表現します。そして、完成した後に、互いの思いについて、紹介し合い、聴き(受け止め)合います。ある方は子どもや家族の成長を語り、ある方は悩みを抱えつつも向かい合う自分の姿勢を語るという具合です。

 あるグループにおいてのできごとですが、一人の母親が作成した貼り絵を見て、周囲の方々の全員が、一瞬、言葉に詰まったことがありました。その貼り絵が真っ黒だったからです。作者は、それまでにも自身の抱える悩みを吐露したことがあったので、未だに光の見えない状態にあるのだろうと、他の参加者が思ったのです。

 ところが、皆の不安そうな顔つきをよそに、作者の母親は、とても明るい表情で自分のことを語り始めました。よく見ると、貼り絵の真ん中にピンク色のハートがありました。私は、こんなに光が見えてきたのよと言わんばかりに語る母親に、他の参加者が抱きつく姿が見られ、「皆さんがいたから」という感謝の言葉が作者の母親からこぼれたエピソードでした。

続々届く成長への手応え

 カウンセリングという概念は、諸説あるようですが、カール・ロジャースという人物が最初に提唱されたと言われ、キャンプなど体験学習の場面などでも用いられることがあります。いずれにしろ、考え方の基盤になるのが、来談者を中心に据えた周囲のアプローチでしょう。こどもの城の8回シリーズでは、参加者(来談者)がカウンセリングを受けるというよりも、むしろ自らがカウンセラーになる体験をするような内容になっています。実は、この手法の方が、参加された方々が元気になるように感じています。参加される方は親ですので、家庭では子どものカウンセラーとしての役割を担う場面もあるようです。その折に、聴くことであったり、表現することであったり、課題を解決するために時には家族の外にも頼ってみたりと、学んだことを試行錯誤されているようです。そして、報せてくれた多くの方が、自身の成長への手応えを語られます。以下に、こどもの城スタッフが嬉しかった感想を列記してみます。

・一つの答に縛られて、子どもがぐずぐずしているとイライラして焦っていたけど、今は、しっかりと待てるようになった。

・そのことで、子どもと笑って会話することが増えた。もしかしたら、これまで子どもが私の顔色をうかがっていたのかもしれない。

・他の親といっしょに笑い、学んだことで、頼ってもいいと思える「仲間」がいることがわかり、同時に、私自身も頼られるかもしれない貴重な存在であることに気づいた。

 最後に、このような場に参加するために用意するものを記します。それは、楽しむ気持ちと動ける服装、そして時間です。行動してみれば、その時間をともに創ってくれる人の存在に気づくことができるかもしれません。

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